ドバイに住んでいると、「自分のお店を持ちたい」という相談を本当によく受けます。特に飲食業は人気で、実際ドバイの飲食店の数・密度は世界でもトップクラスと言われています。多国籍な住民、絶えない観光客、外食文化。市場としてのポテンシャルは間違いなくあります。
ただ、飲食業はほかの業種に比べて「関わる役所の数」が多く、準備すべきことも独特です。今日は、これから飲食店を検討している方向けに、最初に知っておくべきポイントをまとめます。
まず知っておきたい:飲食店は基本「メインランド」
カフェでもレストランでも、お客さんが実際に店舗に来て食事をするタイプのビジネスは、基本的にメインランド(DET管轄)でのライセンス取得が必要になります。
フリーゾーンでも一部対応しているケースはありますが、店舗を構えて直接営業する形態は、メインランドの方が制限なく進めやすいのが実情です。
「まずはクラウドキッチン(配達専門の厨房)から始めたい」という場合は、フリーゾーンでの選択肢が広がることもあります。ご自身の事業スタイルによって、進む道が変わってくる部分です。
業態を最初に決める
- カフェ/コーヒーショップ:忙しい住民・観光客向けの軽食スタイル
- レストラン(フルサービス):着席型でしっかりメニューを提供
- クラウドキッチン:店舗を持たず配達専門
- フードトラック:移動販売
業態によって、必要な許可も、初期費用も、審査のポイントも変わってきます。「とりあえずレストランで」ではなく、最初にここを固めることが遠回りをしないコツです。
飲食店特有の”関わる役所の多さ”
一般的な会社設立に比べて、飲食業は次のようなステップが加わります。
- 業態にあったライセンス取得(トレード名の予約から始まる流れ自体は一般的な会社設立と同じです)
- 厨房レイアウトの承認:保健衛生の観点から、厨房の設計図を事前に提出し承認を得る必要があります
- 保健当局(Dubai Municipality等)の検査:オープン前に施設の検査が入ります
- 飲食店営業許可:上記が揃って初めて、実際の営業許可が下ります
この「レイアウト承認→内装工事→検査」という順番を間違えると、内装をやり直すことにもなりかねません。契約や内装の前に、必ず許認可の流れを確認しておくことが何より大切です。
費用感について
飲食業の初期費用は業態やロケーションによって非常に幅があります。小さなカフェと、フルサービスのレストランでは、必要な設備投資も、賃料相場も大きく異なります。
正直なところ、「いくらあれば飲食店が持てますか」という質問に一律の答えを出すのは難しいです。物件の場所、席数、厨房の規模、内装のグレードによって、必要な予算感はかなり変わってきます。
このあたりは、具体的な業態・立地が決まった段階で、個別に概算をお出しする方が現実的です。
よくあるつまずきポイント
- 物件を先に契約してしまう:飲食店として使える物件かどうか(用途地域・厨房排気設備の可否など)を確認する前に契約し、あとで許可が下りずに困るケースがあります
- 税務・VATを後回しにする:飲食店の売上にもVAT(5%)がかかります。POSレジの段階から税務対応を組み込んでおくと後が楽です
- 人件費まわりの見積もりの甘さ:スタッフのビザ費用、休暇引当、残業代などを漏らして、実際の利益率が想定より低くなるケースも多いです
- 安さ重視で許認可周りを簡略化する業者に依頼する:厨房レイアウト承認や検査の段取りを軽視されると、内装工事後に手戻りが発生し、結果的に開業が遅れることがあります
さいごに
飲食業は夢のあるビジネスですが、「役所とのやりとりが多い」というのは事前に知っておいて損はありません。物件契約の前に、一度専門家に相談してから動き出す方が、結果的に近道になることがほとんどです。
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ちなみに私自身は、こうした個人向けの発信とは別に、東証プライム上場企業の中東進出まで支援する会社(Biz Easy FZCO)の代表もしています。
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