ドバイに、新しい「財団」制度ができました。
2026年9月、DMCC(ドバイの主要フリーゾーンの一つ)が「Foundations Regulations(財団規則)」を正式に制定しました。簡単に言うと、「自分の資産を、自分とは別の”人格”として持たせられる」制度です。
そもそも「財団」とは何か
事業承継や相続対策のために、欧米の富裕層やファミリーオフィスがよく使う仕組みです。会社でも信託でもない、独立した法人格を持つ「資産の器」というイメージです。
・設立者や受益者から独立した法人格を持つ
・投資判断や受益者の指定などの権限は、設立者が自分の手元に残せる
・資産の長期保有、事業承継、資産保全を目的として設計されている
これがドバイでも、DMCCという主要フリーゾーンの中で本格的に整ってきた、というのが今回のニュースです。
初期資産はUSD100から。ただし「設立費用」ではない
今回の制度で面白いのは、この”財団”に入れる初期資産が最低USD100(約1万5千円)でいいという点です。器としての最低要件がこれだけ低いのは、正直意外でした。
ただし、ここは誤解しやすいポイントなので改めて整理します。
「USD100から作れる」=「設立費用が1万5千円」ではありません。
DMCCで財団を設立するには、これとは別に登録料・ライセンス費用がかかります。参考までに、DMCCで一般的な法人を設立する場合の費用は年間AED35,000(約140万円)〜が相場です。財団の登録費用もこれに準じた水準になると見られます。
USD100というのは、あくまで「財団という器に、最低限入れておく必要がある資産の額」の話です。
他の制度との違い
ドバイにはDIFC(2018年〜)、ADGM(2017年〜)、RAK ICC(2019年〜)にも、それぞれ財団制度があります。制度の中身自体はどれも大きくは変わりません。
DMCCの財団が特徴的なのは、会社・持株会社(HoldCo)・SPV・財団を、DMCCという一つのフリーゾーンの中で一体的に組めるという点です。すでにDMCCで会社を持っている方にとっては、事業承継までドバイの中だけで完結させられる、現実的な選択肢の一つになります。
日本居住者が注意すべきこと
日本に居住しながらこうした海外の資産管理スキームを検討する場合、CFC税制(タックスヘイブン対策税制)や相続税の扱いを必ず確認する必要があります。制度自体は魅力的でも、日本側の税務を無視すると思わぬ課税につながることがあります。
まとめ
「ドバイって節税とか資産管理の話でよく名前が出るけど、実際どういう仕組みなの?」と気になっていた方には、地味に大きいニュースだと思います。
こういう制度の変化は今後も追っていく予定なので、また新しい動きがあれば紹介します。
気になることがあれば、LINEやコメントで気軽に聞いてください。











